親離れしているつもりだが 親が干渉してくる 親が鬱陶しい 子離れさせたい
心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
親は、少なくとも結婚するまでは親元にいる物だと思っていたようだ。
できたら、庭先に離れを立てて婿を迎えたいように思っていたのだろう。
そこを何とか、進学や就職を口実に家を出てきた。
学生時代はそれなりの仕送りはしてもらったけど、小遣い分位はバイトしたし、就職してからは経済的には一切援助は受けていない。
そこどころか、誕生日や母の日はそれなりに値段のはる物を送っている。
自分は充分に自立しているつもりだし、まずまず親孝行な方だと思う。
それでも、親が干渉してくる。
仕事はどうだ、付き合っている人はいるのかなど細々聞きたがる。
息苦しくてしかたがない。
それなりに大事に育てられたとは思うのだが、今は思い出すと嫌悪感を感じる。
憎しみというと大げさかもしれないけど、当分、縁を切りたい位に思う事すらある。
しかし、そう思うことに罪悪感も感じる。
同じようなご相談を頻繁にいただいています。
虐待された親を憎むのとは、また違ったパターンですが、子供の側にあるネガティブな感情の大きさは、
虐待された方とかわらないかもしれません。
Contents
親に操作されない為にできる事
ここにあるのは、親に操作されたくない。
完全に別個の人間として認めて欲しいというような気持のようです。
その為には、どうしたら良いのでしょうか?
親に口実を与えない
ここで言う口実とは、やっぱりお母さんがいないとダメでしょ(父親の場合もありますが、多くは母親です)と言わせない事です。
言ってみれば、都合の良い時だけ親を宛てにする事をあたり前と思わない事。
これは、傍からみるとすぐにわかるのですが、当事者は自分が都合が良い時だけ親を宛てにしている事には気づいていない事がしばしばあります。
失業したから、当面の生活費を借りる。彼氏ができて同棲して別れると当たりまえに実家にもどる。離婚して実家暮らしで、子育ては親まかせ。
それでも、どちらかというと、親は迷惑というより、宛てにされて嬉しいような反応をしがちです。
嬉しいけど、宛てにするからには、ママの良い子でいてね・・みたいなパターンです。
自立した子供が、宛てにしなければならない時は事情があります。
親しか頼れない状況で絶対に宛てにしてはならいわけではありません。
それでも、親に操作されたくない、という気持が強いのでしたら、境界線は必要です。
借りたお金は返すのは当たりまえ、子供をみてもらうのにもお金を払っても良いかもしれません。
そんな他人行儀な、と思われるかもしれませんが、で貯金してもらっていて、結婚の時に渡してもらった方もおられるかもしれません。
一定の経済力を持っている親なら、孫の名前で残しておいてくれるかもしれません。親がお金を欲しがっているから、払うわけではないのです。
無条件に何もかもしてもらうのを、当たりまえとは思っていません、という気持を示す為にお金を払うという儀式をするのです。
心配には先まわりして答える
親があれこれ、生活の詳細を聴いてくるのが、鬱陶しいという方も多いですね。
関係ないでしょ、と突っぱねるのもありですが、これはあまり上手なやり方ではありません。
親なりに心配している所に、突っぱねられると、余計、心配してあれこれ訊ねたくなります。
心配している親への思いやりを言っているわけではありません。
余分な事を尋ねられないための、方策として、先回りして話をしておくのが良いのです。
別に、本当の事を言う必要はありません。
嘘を言うと、後々面倒な事になる事もあるので、あたりさわりのないように言うのです。
付き合っている人がいる事を匂わせたら、どんな人か、結婚するつもりか、などきかれるとうんざりするでしょう。
いい人だよ、もう少ししたら紹介するね、で流していけば良いのです。
何年も同じ返答になっても良いと思います。
何でそんな事まできかれなければいけないの、とか食ってかからない方が良いです。
自分はあれこれ詮索されるのが嫌で言っている事でも、親にしてみると、何か言いにくい事情があるのではと余分な詮索をしたくなるからです。
仕事のストレスもさほどではない、彼との関係も良好。そんな時ばかりではありませんね。
そんな時に、親にどこまで話すかは関係性しだいです。
器の大きな親なら、何があっても受け止めてくれるでしょうが、なかなかそうはいきません。
ストレスは言葉にできた方が良いですが、その相手は親が良いとはかぎりません。
特に、干渉されたくないと感じる親であれば、心配させない事。
少しアレンジしても、心配のない生活を送っている事を示しておくのが良いと思います。
親の子離れを促す方法
子供の側から、親の子離れを促すのはなかなか難しい物です。
特に、別居しているような場合は、親は子離れできていない事に気づいていません。
それでも、子供は隙あらば支配してくる親を感じて、盆正月の帰省も本音ではしたくない、といった事はよくあります。
喧嘩や絶縁も一段階としてあって良い
大喧嘩して、数年絶縁状態になっていて、何とか和解したころには親が前ほど自分に干渉しなくなっていた、といった事はあります。
喧嘩をきっかけに、親が子供を思い通りにする事をあきらめて、他の世界に目を向けるようになるのは珍しい事ではありません。
喧嘩を勧めるわけではありませんが、喧嘩して絶縁状態といった時は、そこに罪悪感を感じる必要はありません。
青虫が蛹になったようなイメージで、親子の関係が一旦、溶けて次のステージが来るのを待っているのです。
虐待されていてさえ、親に憎しみしかない人はまれです。
親子の関係はそれだけ濃厚なものなのです。
たとえ不満で一杯でも罪悪感があるような方は親への情は充分にあるし、和解する機会は必ず来ます。
これを機会に親も自分のやりたい事を始めるのではないか、位に考えて、自分の暮らしの基盤を作る事に専念するのがお勧めです。
両親仲良くできるよう応援する
子供が小さい時は、子供に向きがちだった親(主に母親)の気持も、子供の成長にともなって、夫婦関係にもどってくるのは、親子双方にとって良い形です。
ただ、これもうまくいっている場合は自然にそうなりますが、両親が不仲な場合などは、子供が調整するのは難しいように思います。
まだ、子供が小さいうちは、子供の為と我慢している事が、子供が自立すると鎹もなくなり、熟年離婚にいたる場合もあるくらいです。
取り立てて不仲というわけではないけど、長い倦怠期が続いているような感じが子供の側から見て取れた時は、
結婚記念日に旅行券を贈るのは気の利いたプレゼントになります。ちょっと贅沢な食事券などでも良いでしょう。
贈った物を喜んでもらうと同時に、両親が二人ででかけて、二人の来し方を話す機会になります。
子供の側からは、見えなかった沢山の物を超えてきたご両親です。
普段の生活では忘れていた事を思い出して、新鮮な気持で次の日から生活していくきっかけになるかもしれません。
子離れされても大丈夫かを自分に問い直す
今回は、子供の側の立場から、書いてみましたが、最後にうかがっておきたいのは、親が鬱陶しいと言われる方。
親が本当に子離れしても、大丈夫でしょうか。
どんなに時間のやりくりをしても、孫の面倒をみるのをいとわなかった親が自分の予定があるからと断ってくる。
ちょこちょこ生活を補てんする位、孫に服でも買ってやってと回してくれた小遣いを趣味にまわす。
そんな可能性は頭に置いておかなくてはなりません。
親子の関係は、べったりか、絶縁かの両極端に分かれる物でありません。
どのあたりを目標に、大人どうしの関係を作っていくか熟考していただきたい所です。
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