オンライン カウンセリングはほぼ三日以内の対応が可能です。

居場所がない 何かに脅えて ここは自分の居場所じゃないと感じる時

居場所がない 何かに脅えて ここは自分の居場所じゃないと感じる時

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

居場所がない、というお話しはセッションの中でも良く出てきます。

マズローは欲求の5段階説で、
所属の欲求を生理的欲求、安全欲求に次いで
3番目に上げています。

そんな事を考えると、此処は自分の居場所じゃない、と感じる事は
基本的な欲求が満たされていない不安定な状態だと思います。

たまたま入った職場で居場所がないと感じる。
これは、仕事が向いていないとか、人間関係が悪いと被る事もあります。
しかし、必ずしも一致しているとは限りません。

仕事で役割は果たせていると思う。
別にハブられているわけではない。
それでも、ここに居て良い、みたいな安心感が持てない。

趣味のサークルでもそうです。
活動は楽しいし、取り立てて嫌な人もいない。
それなのに、この場の仲間なのかと思うと引っかかりがある。

こんな時は、自分の感じ方の影響が大きいので、
場所を変えてみた所でなかなかうまく行きません。

どこにも自分の居場所がないと感じて、
よけい落ち込んでしまう事もあります。

感じ方を変えるというと、
なんだか今の自分はダメで違う人間になれ、と
言われているような気がして抵抗ある方も多いものです。

感じ方を変えるのは、感じている事を否定しろという事ではありません。
感じ方につながっている考え方に柔軟性を持たせる事で、
自然にネガティブな感じ方が緩んでくるのです。

その為の、具体的な方法を書いてみたいと思います。

ここは自分の居場所じゃないと感じる原因

どうすれば良いか、に気持は行きがちだと思いますが、
まず、こんな気持が起きる原因は抑えておきたいと思います。

自分を過大評価している

気づかないうちに、自分が素晴らしい人間で、まわりを否定的にみている事があります。

これは仕事の力量だけを意識しているのではありません。
意識が高いとか、人間として立派だとかいう意識の事もあります。

こんな意識が根底にあると、
自分はこんな所にいるのはふさわしくないといった感覚が生まれます。

こんな仕事は自分にふさわしくないと思って
筆記試験を通った会社の面接に行けないといった状況の方もおられます。
ここまでになると病的ですが、
普通に働いている方の中にもこの感覚が強い方は結構おられます。

自分が人並みはずれて素晴らしいと思うのもフィルターであり
それに比べて、周囲が劣って見えるのもフィルターです。

言葉に出さなくても、周囲に上から目線が伝わって
敬遠される状況がおこってくるのはありがちな事です。

真逆の場合もあります。

健康な自尊心 自己肯定感が低い

自分に対して素晴らしい人間だというフィルターがかかっている、と言っておきながら、
自尊心が低いと言われると違和感がある方もおられるかもしれません。

しかし、これは矛盾した事ではありません。

表裏一体と言えると思います。

自分に自信がないからこそ、実際はない理想の自分をイメージして
それと一体であるような気持になるのです。

自尊心が低い
このごろの言葉だと、自己肯定感が低いとも言えます。

どこに居ても、そこにふさわしくない人間のような気持になりがちです。

さかのぼると、子供のころに親から疎外された記憶に繋がっている事もあります。

親の理想が高くて、そこに達しない事を責められてきた。
親が不仲で離婚話が出ている時に、双方から引き取る事を渋られた。
一人っ子で大事にされていたのに下の子ができた途端、見向きもされなくなった。

状況が深刻であるかどうかは、あまり関係がありません。
些細な事でも、小さな子供は命が脅かされたと感じる事もあります。

その場を自分の場所にする方法

そこを自分の居場所にしたいか吟味する

職場であっても、サークルであっても、
必ずしも自分の居場所感を持たなければならないものではありません。

ハブられない程度の付き合いもあります。

うまくやっていきたいが、それ以上は期待しないと思っても良いのです。

自分の居場所であると思えない場所を思えるようにするには、
それなりの努力をしなければなりません。
それにふさわしい場所なのか、考えてみるのが最初のステップです。

自分の居場所がない、といった事に悩んでいない人が、
すべての場所を自分の居場所と思っているかといえば、
決してそんな事はありません。

自分の気持を話す

自分に付随する事を話すのではありません。
自分の気持を話すのです。

心理学用語を使えば自己開示する。

人とうまくやる為には人の話を聴けと言われるのに
話す側にまわって良いのですか?と問い返される事も多いのですが、
これは大切な事です。

普段の会話の中では、人は表面的な事しか話しません。
仕事上のやり取りと、雑談。
それだけでも、良い関係は維持できるのです。

ここは自分の居場所ではない、と感じるやすい人は
もう少し深い所での心の交流を求めている事が多いようです。

それなら、自分の内面の話を自分からしてみる事が一番、効果的です。

内面の話をいうと、ネガティブな事をはなさなければならないと思う方もおられますが、
そんな事はありません。
楽しくて、心が動いた話からで良いのです。
人に言えないような話は、自然にしたくなった時で良いのです。

返報性という言葉をご存じでしょうか?
何かしてもらったら、お返しをしなくては、と思う心理を言います。
一般には良い事を指すのですが、実際は役に立たない物をもらっても
お返しをしなくては、という気持は働くのです。

自己開示にも返報性があります。
相手とタイミングは選ばなければなりませんが、
自分から心を割った話をしていけば、人も深い所で自分を開いてくれます。

人と深い所で響きあって、その場を自分の場所にしていきたいなら、
相手が心を開いてくれるのを待っていないで、
自分から心を開いていく事です。

自分の居場所に100%満足を期待しない

ここは100%自分の居場所、という安心感を持ちたいというお気持はわかります。

それでも、実際は家庭の中でその感覚を得られればラッキーな方です。

愛社精神は持っているけれど、嫌な面も見える。
それでも、この仕事がまずまず好きだし、
確実にお金が入ってくるのはありがたい。

そんな所で充分なのではないでしょうか。

今の仕事がライフワークと言えるのか、みたいな悩み方は、若いうちはあっても良いと思います。
それでも、ライフワークと言えないから自分の場所と思えないというのは
子供っぽい感じがします。

100%を期待している人がよく行きつくのが、新興宗教です。
仲間もできるし、心の拠り所になるという所では否定はできません。
ただ、結構、貢物が必要な事が多いのは知っておいた方が良いと思います。

残念な事に、心理療法のセミナー
それを運営している機関にも同じような傾向があります。

私自身は、10か所以上の所で学んできて、
ある時期までは、ここの療法で自分の問題がすべて解決できる。
ここにいればすべて安心と思える所を探していたような時期がありました。

どこに行っても、講師自身が教えている事を実践できていなかったり、
内部の派閥のようなものを見聞きしたりして、ほどほど失望してきました。

結果としてはそれで良かったのだと思います。

今は、SNSで繋がっている程度の人が多いですが、あちこちに仲間がいます。

全く縁がきれてしまった団体もありますが、
年に一二回、勉強会に行く所もあります。

一つの機関に育ててもらって、
無給のアシスタントから、仕事をもらう所まで行くシステムの所が多いのですが、
私は、そこまで行ける人をうらやましく思う気持もありながら、
自分がそこまで入れ込む事ができる機関には出会わずじまいです。

片足を置いているが、どっぷりつからない。
半分くらい自分の居場所という立ち位置が
今の私には心地よくかんじられます。

このあたりは、人によって満足できるラインは違ってくると思います。

心理療法の世界では、グレーゾーンを抱える事ができる事が強さと言われています。
100%心酔してしまった方が楽な面もありますが、
ほっとできるけど、鬱陶しい実家、のような距離も悪くありません。

Follow me!

PAGE TOP