誰とでも仲良くしたい うまくやる方法があるか 無理な事なのか
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。
誰とでも仲良くやっていきたい、そう思って周囲に気も使っているのだけど、今一つ好かれているという実感がもてない。
全員とうまくいかないわけではないけれど、いつも、好きになれない人がいたり、露骨に嫌われたりする、というお話は珍しい事ではありません。
カウンセラー志望の方でも、
これではプロに慣れそうにないと悩んでおられる方もいらっしゃいます。
誰にでも確実に好かれる方法があるわけではありませんが、
誰とでもほどほどうまくやっていく方法はあります。
ただ、こんな事をしてまで・・と思われる面もあるように思えます。
まず自分がどんな関係を作りたいか整理してから取り組むか決めるのが良いと思います。
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親密でないからと言って、嫌われているとは限らない
まず、誰とでも上手くやる、仲良くできているとはどんな状態なのでしょうか?
誰からもいつも攻撃的な物の言い方をされる、馬鹿にされる、
というのは辛いですね。
まず、第一段階ではそんな対応をされないくらいには振る舞いたいものです。
皆んなが誘われる宴会などに、声をかけてもらえなかったら、
対して行きたくない時でも傷ついたりします。
それでは、職場で仕事の話しかできない、というのはどうなのでしょう。
あの人と同じシフトの時には、ランチに声をかけてもらえない。
自分はあの人に嫌われている。
そんな風に真剣に悩んでおられる方もいらっしゃいます。
いいんじゃないですか?と一言で済ませてしまいそうになるのですが、
ご本人には深刻な悩みなので、もう少し丁寧に考えてみたいと思います。
ランチに誘われないのは、本当に自分が嫌われているからでしょうか?
食事はおしゃべりをしながら食べた方が美味しいという方がいる一方で、食事の時間ぐらい一人になりたいという人もいます。
相手がそんなタイプだと考えたら自分が声をかけられなかった事に、傷つかないですむのではないでしょうか?
そんな人もいるかもしれないけど、他の人とは一緒にランチに行く、とおしゃる方もいらしゃいます。
その人とランチに行く人は何か共通の話題があるのでしょう。
世代が違えば話題も違います。
嫌われていると考えないで、私とはあまり面白い話ができないからじゃないか。
もしかしたら、相手が自分の趣味の話に自分を巻き込む事に遠慮したのではないかと考える事はできないでしょうか?
そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
ただ、そう考えてみると、ランチに声を掛けられなかった事一つでも、誘われなかった=嫌われている とは考えにくくなります。
その上で、自分はどんな関係を持ちたいかを考えてみる。
誘われてもかえって気を使うみたいだから一人でランチを食べる事に納得しても良いし、自分から誘っても良いと思います。
そこまで、踏み切る事はハードルが高くても、一人で食べるのはちょっと寂しいといった事を、つぶやいておくと誰かが誘ってくれたりします。
好かれたい時は相手が望んでいる役割をとる
人は勝手な物で、自分に都合の良い人を好きになります。
都合が良いという意味はいろいろです。
同じ考えで安心できる都合の良さもあれば、刺激的な違う意見をもらえる都合の良さもあるでしょう。
もし、あなたがその人と上手くやっていきたいなら、相手にとって都合の良い人になれば良いのだと思います。
ただ、これは結構面倒な事です。相手の都合の良さがくるくる変わるからです。
職場の管理者を例に上げてみましょう。
新人で右も左もわからない時は、手取り足取り教えてくれるやさしい先輩に惹かれます。多少、先輩がトロくてもやさしければ好きになります。
仕事に自信がついてくると、仕事ができる人に惹かれるようになります。
やさしいだけの先輩はいつのまにか下に見ていたりします。
仕事で厳しい事を言われても着いていくのが楽しく思える時もあります。
妊娠・子育ての頃はそこに配慮してくれる人が好きです。
すべてに仕事を優先する事を求めるなんてとんでもない話になります。
上に立つ人が、その度に相手の都合だけを考慮していては職場は回りません。
まわりの人も納得しません。
調子が良いだけの管理職は信頼されません。
同僚でも、プライベートでもこの仕組みは同じです。
その都度、相手の都合を優先する人は、その時は、嫌われないけれど信頼されないのです。
好かれたいという所に意識が行き過ぎると、こんな事が起こりがちなのは知っておいてください。
彼との関係でも、恋人の時はイエメンで、お金がある男は魅力的です。
下手に、家の中の事に手をだしたりしてもらいたくないかもしれません。
それでも、結婚して子供ができれば、手を貸してくれないパートナーは不誠実だと感じます。
好かれたいから「今」はそうしている事を意識しておく
それでも、職場で嫌われるのは嫌ですね。
親族の中での好き嫌いにはもっとドロドロした物もありますが、同居していなければ、距離をおく事ができます。
仕事は基本、毎日行かなければなりません。
そんな時は、そこそこうまくやる為に、職場なら職場の都合を優先する事です。
派閥の中ではぶられたくなかったら、お局さまの都合を考慮して動く。
この時大切なのは、うまくやる為にそうやっているのだという事をしっかり意識しておく事。
相手が正しいからとか、立派だからとかではないという事です。
そこをごっちゃにすると、なんでこの人の都合の良いように振舞わなければならないのかという気持になります。
相手の器が本当に大きい時は、むしろ本音でぶつかっても良いのです。
ただ、このレベルの関係が成立するのは仕事の場では例外だと思ってください。
学生時代は、生意気な突っ込みを面白がってかわいがってくれた教授もいたかもしれませんが、上司に同じ事を期待すると足元をすくわれます。
相手が自分を受け止めてくれる事を期待できない時には、わがままな子供をあやすように、相手の都合を優先する。
優先してあげる、といった感じで捉えていただくのが、良いと思います。
誰にでも好かれる事はありえないので期待しない
人の気持ち、相手に求める事はくるくる変わるのだから、
終始すべての人に好かれる事はありえない。ここに納得がいくと、随分楽になります。
人望があるとされている人を思い浮かべてみても、その人の事を悪く行っている人の何人かを同時に思い浮かべる事ができるでしょう。
そんな人は、自分の悪口を言っている人の事を気に留めてないように見えませんか?
少なくとも、人に嫌われるようではいけない、何とかみんなに気に入られなければという所に重きをおいて、行動しているようには思えません。
一方で、細かな気遣いができるのだけど、何となく敬遠されがちな人もいます。
あの人の事を持ち上げてみたかと思うと、その人と不仲な人の所で悪口に相槌を打っている。
積極的に人の悪口を言うタイプではありません。
悪い人ではないんだけど、ちょっとね、みたいに言われる人です。
人は自分に都合が良い人を好きになると書きましたが、人の利害は拮抗している事が多いものです。
あちらを立てればこちらが立たず。
そこで両方立てようと悪戦苦闘しているのは、側でみていると、見栄えの良いものではありません。
うまくいっている時は、世渡り上手ね、とやっかみ半分に言われます。
矛盾が見える人には、、誰にでもいい顔したがると言われる羽目になります。
それくらいなら、好かれる嫌われるは結果だと割り切って、自分が信ずる方向でいった方が信頼されるかもしれません。
ただ、個人の都合に対応するのはそれで良いとしても、自分が所属している組織や「場」の都合、ルールのような物はある程度、意識しておいた方が良いかもしれません。
個人と喧嘩をするのと、組織と喧嘩をするのでは、力関係が違いすぎます。
上司とちょっと意見が違っても、発言するには、タイミングや場の流れをはからなければなりません。
此処を自分の場所にしたいと思うのなら、そこは充分に考慮して居心地の悪い場にしない事を意識してやっていかれた方が良いと思います。
みんなに好かれる事はありえないので、意識する必要はないけれど、自分がこの場で、どんな立ち位置を取りたいかは、意識していく事をお勧めします。
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