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子育ての成功ってなんだろう 私の子育ては失敗 埋め合わせる方法はあるのか 

子育ての成功ってなんだろう 私の子育ては失敗 埋め合わせる方法はあるのか 

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。

子育ての成功ってなんだろうと、同年代の友人と話す事があります。
子育て卒業、孫もいるような世代ですが、若い時は若い時で、その年代なりに同じ世代とその話をしてき事を思いかえします。

ちゃんと反抗できる事が大事、といってみたり、素直さが大事といったり、年代や状況で子供に求める事もその都度変わってきます。
その時々の親の思いに応える事を期待される子供も大変です。

子供を育てるエネルギーを考えたら、親なりの期待を持つ事は当然だという思いもよくわかります。

それでも、心理療法を学んで、カウンセリングの現場を持ってからは、親の思いと子供の思いが噛み合う事の難しさを実感しています。

虐待されたとかではなくても、親への不満を持ち続けている人は想像されるよりずっと多いと思います。わがままに聞こえるようなお話しの中にも、うずくような満たされなかった思いを感じる事もあります。

子供の立場に立つ事も大切なのですが、今は親の立場から、子育ての成功は何かを考えてみたいと思います。

親を必要としなくなれば成功?

子供が学校を卒業して家を出た。社会的に地位のある仕事をしているわけではないが、自活はできているようだ。盆正月ぐらいは顔を出してくれるし、特に取り立てて援助してくれるわけではないけれども、こちらも食べる分に困るわけではないので期待はしていない。お金の無心をしてくるわけではなく、自分なりに働いて生活を立てていってくれているだけで充分。付き合って来いる人もいるようで先々は一緒になりたいと言ったことも漏らす。

充分に子育て成功であがりだと思うのですが、これで満足できる親は少ないようです。

ありがたい話のようにも思うが子供を手元に置いてお弁当作って会社に送り出すとか、孫の世話に忙しいといった話を聞くと気持ちがざわざわするという人は珍しくないと思います。嫉妬という言葉が一番近いように思います。

いつまでも親がかりでいるよりは良いと、理屈では納得出来るのだが、何か納得来ないものが残る。
私の20数年は何だったのだろう。結局こんな思いをするくらいだったら、子供なんていなければよかった。子育てに使うエネルギーがあったら、自分らしい仕事ができたかもしれない。
子育てが終わってからの時間が長くなったから、そんな思いで過ごす時間も長くなったように思います。

子育ての成功は親を必要としなくなる事。わかるような気もするけど、何か腑に落ちないと思われる方も多い事でしょう。

育ててきた自分を労う

そんな時は自分によくやってきたな、と言ってやる事から始めて下さい。

子供の顔を思い浮かべながら、あんた程度を育てる為にも手間暇かかっているんだからね、と言ってやるのもいいです。

子育て中に悩んだ事、学校や周囲の親との細々したトラブル。懐かしくて涙ぐんでしまう事もあるけど、あの延長で今も親を振り回してくれたら溜まったものではない。出て行ってくれただけ良いかもしれない。
そこまで育ってくれたんだ。そんな風に思えてくると、まず自分の過去にOKが出せます。

あの時は大変でも充実していたし、今、自立してくれと事もその延長で大成功とわかってはいても、今の寂しさに目をやると過去まで否定してしまう事はありがちです。
まず、よかった時代の幸せを思い返して味わって見るのです。まんざら悪い人生じゃなかったと思えれば大成功です。
苦労ばかり数えると横道にそれていくので、苦労は苦労として思い返しながらも、良かった事もきちんと認識していくことが大切です。

人は母親なら当たり前だろうと言うかもしれませんが母親として1つの命を世の中に送りだし、社会に送り出せるまで育てるのは、エネルギーが要ることです。
それをきちんと成し遂げた自分をしっかりとねぎらってやることです。

子供から自分の方が気を使っていたんだ、自分はアダルトチルドレンだと言われたり、毒親と罵られたり、親も大変です。
子供の言い分もそれなりにきいてやりたいと思いますが、自分の寂しさを受け止めようと努力している親は、子どもをいつまでも拘束しよとする親ほど子どもに疎まれる事はないように思います。

子育ての後の時間をどう使うか

それでも、その結果が今の状態かと思うと何か悲しいような虚しいような思いが拭い切れないと言う方もいらっしゃることでしょう。

大仕事の後なのだから、ゆっくりして良いのかもしれないけど、それが辛い。

そんな時は少し社会に貢献できる形で時間の使い方を考えていただくのが良いのではないかと思います。
自分の好きなこと、楽しいことをやっていただくのでももちろん構わないのですが、寂しさの奥に必要とされていないと言う気持があるのでしたら、必要とされていると言う実感を持っていただくのが良いように思われます。

ボランティアでもちろん構わないのですが、ボランティアも一つの社会です。人間関係などが付いてくる事は覚悟しておかなければなりません。

まるっきり無償では都合よく使われているだけになっなり、都合が良い存在と自分のことを思ってしまいがちになるので、できればわずかでもお金をいただけた方が望ましいと思います。お金はあなたのことを対価を払っても必要としているというとてもシンプルな印になるからです。

それくらいなら、いっそ生きがいになるような仕事をしたいと思うかもしれません。しかし、それは望みすぎかもしれません。

ずっと仕事をしてきた方から、減速しながら給与も減っていく。そのかわりに、負担は減って、ちょっとしたやりがいは感じられるといった所を目指せるかもしれません。
職歴のない方、ブランクは大きい方が生きがいを主体に仕事を探してそれなりの報酬を得る事は現実的には難しいように思います。雇用されるにしても、起業するにしても結構、ハードルは高いです。特別な積み重ねがない方が、生きがいをメインに考えるのでしたら、これは私の生きがいのためと割り切って、収入は度外視こした方がスッキリします。

自立した子供との付き合い方

子育てに思い残しがあると思う親ほど、自立した子供の後を追いがちになります。

仕事に追われてかまってやれなかったから、埋め合わせるように一緒の時間を過ごしたがったり、お金をかけてやれなかったので、援助してやろうとしたり。

金銭的な援助は、ありがたいかもしれませんが、そこにまだ親の物であって欲しいという思いがあると、子供は敏感に見抜きます。
支配されているような思いがあるので、できるだけ距離を置いている。正月位、顔を出さなくてはと思うけれど、気が重いという子供さんは珍しくありません。

実際に、帰ってきてくれるくれないに関わらず、子供にそんな思いをさせているとしたら、悲しい事ではないでしょうか?

自分を労って、自分の子育ては成功だった、と納得していく事は、親の為だけではありません。

良くここまで育ってくれたね、後は自分の判断で立派に生きていってくれると信じているよ。
言葉にしてもしなくても良いのですが、そんな眼差しでみていく事が、自立した親子の幸せな関係の秘訣のような気がします。

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