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一つ嫌な面をみると全部嫌いになる 白黒思考を緩和するには

一つ嫌な面をみると全部嫌いになる 白黒思考を緩和するには

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

人には良い面も悪い面もある。
完璧な人はいない。
そんな事は頭ではわかっている。

それでも、人の嫌な面をみてしまうと、
大好きだった人が嫌いになる。
そんな思考の癖を持っている方がおられます。

自分に不都合な事を言われた
他人への対応が目についたなど
理由は様々です。

これは、あながち悪い事とは言えません。
嫌になるのは、自分の大切にしている物が脅かされたからです。

何を言われてもその人の事が好きというのは
DV 暴力を振るわれても別れられないような物です。
決して健康的な事ではありません。

それでも、ちょっとした事で、
好き嫌いが反転するようでは
いくら友達がいても足りなくなります。

今はSNSなどでのつながりも多いですから、
そんな世界であれば、嫌いになればブロックして
他の仲間を探す事もできます。
個人的なやり取りをしていなければ相手も気づかない。
相手を傷付けないと思うと罪悪感も感じないですみます。

そんな世界に限ってみれば、特に問題はない事かもしれません。

ただ、これが普段の人間関係にも起こってくると
ちょっとやっかいな事になります。

人と親密な関係が築けない。
この傾向に自覚があれば、結婚するのも怖くなるでしょう。

白黒思考 好き嫌いが容易に反転する心の癖

褒め言葉で言えば潔癖なのです。
ちょっとした、悪事も許せないような感覚。

ただ、心理臨床の世界では、
潔癖はあまり良い事とはされていません。

物事はそんなに白か黒で分けられる物ではないのに
どちらかに決着をつけずにはいられない癖。

こんな心の癖を白黒思考と言います。
これは、人の好き嫌いだけではなく、物事の良し悪しをいう時にも出てきます。

白黒決着がついた方が、すっきりした感じがします。

しかし、これは間にある感覚を切り捨ててしまっている事。

なぜ、そうするかと言えば、その方が楽だからです。

良い所もあるけれど、嫌な一面もある。
嫌な所も含めてその人を認めれられるのが大人の心。

嫌な面をみちゃったから
即、嫌いになって絶縁するのは子供の心です。

絶縁が絶対いけないという事ではありません。
それでも、良い所と悪い所を見比べて、
お互いの関係では悪い所があまりに勝っている。
といった所を吟味した上でにした方がよさそうです。

絶縁の前に、距離をおく、という対応もあります。

どちらにしても、極端か極端に走らない事が大切です。

白黒思考を緩和して楽になる

白黒思考は悪いものだから
早急になくそうと頑張りすぎるのも、あまりお勧めできません。

それ自体が白黒思考です。

ただ、ちょっと緩める方向で考えていくのも
良いかもしれません。

ただ、これは結構難しいものです。

人の嫌な面を見てしまった時に、
でも良い面もあるよね、と思い返す。
これは教科書的には正解なのですが、
実際はなかなかうまくいきません。

大概、でも嫌いな物は嫌い!という声が自分の中から返ってきます。

自分の正直な気持に自分が味方してやらないと、
その気持が拗ねてしまいます。

まずは自分の気持に肩入れしてやる事が必要です。

信頼していたのに腹がたつよねとか、
期待していたのに哀しいよねとか
自分の中の自分に声をかけてやる事です。

そうすると、自分の中の自分が機嫌を直していきます。

あの人の良い所は良い所でそのままかわらずにあるねと
声をかけるのは、自分の中の自分が機嫌を直してからです。

自分の味方になってもらえる人の言葉には
だれでも耳を傾けたくなります。
ちょっと拗ねている自分の中の小さな自分に
味方だよ、と声をかけてやるプロセスを省かないでください。

まだるっこしいように思えても、
結局、その方が早いです。

自分の中に嫌な面をみて、
自分で自分を責めている時にもやってみてください。

こんな自分は嫌だよね、と言いながら、
でも、自分の価値はかわらないよね、
自分が自分である事は大切だよね
といった感じです。

白黒思考が緩みずらい時

自分で自分の味方になってやる事が難しい方もおられます。
味方になってやっても、自分が味方だと信じない事も
そんなに珍しい事ではありません。

そんな方は、いつも臨戦態勢で生きてこらた方が
多いように思われます。

こころのモヤモヤを抱えるなんて仕事に差し障る。
早く気持に決着をつけて先にいかなければ。
仕事中心できた方にはありがちなパターンです。

競争社会の中で生き延びる手立てだったのですから、
容易には手放せません。

遡ってみると、子供のころから、
親に成績などで価値を計られて追い立てられて来たという所に
行きつく事もあります。

そんな時は、白黒思考の自分の味方になってやる事。

結果を出さないと認められなかったのだから当然だよ。
曖昧な物を抱えているなんてやってられないよね。

自分の中から、そうだそうだと言う声が聞こえてきます。
満足するまで、充分に言ってやってください。

満足して初めて、
それも疲れるよね、
ちょっと緩い考え方も良いかもね
と言ってやる事です。

こんな事をやっていくと、
仕事はできるけど、人情味のない人と思われていた人でも
懐の深い人になっていく事ができます。

グレーゾーンは味わい深い

私自身、白黒思考は強い方で、
真っ白い世界が、どこかにあるように思っていました。

心理療法を学び始めた頃は、
医療では対応できない事のすべてが、
心理を学べば解決できるような幻想を持っていました。

仕事としてカウンセリングを提供するようになって、
否応なくそんな自分と向き合わざるおえなくなりました。

すっきり解消しな問題を抱えていく方に向き合う時、
決着をつけたい自分が出てくるようでは
セラピーは成り立たないからです。

まだ、解消しきったとは言えませんが、
中途半端な所にとどまる事には大分慣れてきたように思います。

そうすると見える風景が変わってきます。

好きな人の嫌な面をみると、
絶縁しないまでもそれに捕らわれて嫌いに分類していた所を
真ん中位でみている。

この人も良い所も悪い所もある。
弱い所もあるけど、そこが味のある所。

完全のように思っていた人の弱さを認めるのは、
寂しい面のあるのですが、
だからこそ愛おしいような気持になってきました。

親密な関係は、
完璧でない自分が完璧でない相手と作っていくもの
そんな事が腑に落ちてきたように思います。

これからどんな風景が広がっていくのかわかりませんが、
ゆっくり味わっていきたいと思います。

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