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親の立ち位置 理解できなくても理屈や感情のままに接しない

親の立ち位置 理解できなくても理屈や感情のままに接しない

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子といいます。

子供の事を理解してやれば、良い子が育つか?

言葉は違ってもこんな趣旨のご質問を受ける事は多いものです。

しかし、実際は答えにくい質問。
答えようがないような質問です。

理解という言葉も曖昧ですし、
良い子というのが、
どんな子供を指しているのかもわからないからです。

理解できなくても理解しよとする姿勢は見せる

逆から考える事はできそうな気がします。

親が理解しようとしないと、子供はどうなるか?
この方が問いとしてはすっきりしています。

理解できるできないはあると思いますが、
親が子どもを理解する事を放棄してしまうと、
子供はすさむ、とは言えそうな気はします。

子供が親に捨てられまいと、
良い子を演じる、という事もしばしば起こります。

これが悪い事だとも言い切れないような面もあります。

そんな事をしたら、お母さんは恥ずかしい。
そんな言葉で、社会性を身に着けていく面もあるのです。

それでも、子供なりの理屈を推測してみる事は必要です。

幼児の万引きに激怒して手を上げても、
子供は自分の物と他人の物の区別がついていない、
今教えておかなければ、
そう思っている自分をしっかり認識するような立ち位置です。

感情のままに接して子供を追いつめない

高ee(Expressed Emotion)という言葉をご存じなのは、
心理を勉強した方だと思いますが、
考え方としては難しいものではないと思います。

家族から強い感情を向けられるような状態。

統合失調症の方が、
家族から強い感情を向けられる・・
妄想を頭から否定されたり、
仕事に就けない事を責められたりすると、
再発率は5倍にもなると言われています。

そんな事を考えると、病的な状態でなくても、
親に依存しなければ生きられない子供にとって、
親が感情のままに接してくる状況がどれだけ負担かは、
想像に難くないと思います。

一旦は言い分を聴いてみる

そんな事を考えると、
子どもの理解者になろうとする前に、
取り組んでいただきたい課題が見えてきます。

一言で言えば、
感情に呑まれない事

そして、
一旦は相手の言い分を一旦は受け止める事

子供から、私の事を全然わかってくれない!!と言われた時に、
親の側は、大概、怒りが沸きます。
哀しみの時もあります。

全然、こちらの事はわかろうともしていないじゃないか!
聴いてもらえないような物の言いようをしているのはお前の方だ!
人生経験が長いんだから、世の中の事はわかっている!
お前の幸せを思って言っているんだ!

おもちゃを買ってくれない、といった事から、
進路を巡る問題、
結婚相手の事。

こうやってみると、
同じである事が見えてきます。

双方が、自分の正しいと思う所をぶつけ合っている状態。

こんな状態を、
「親が世間体を気にして子供を操作しようとしている」
という人もいます。

一面、言いえている事もありますが、
そう言ってしまうのもどんなものかと思います。

若い時は、リスクがあってもやりたい事がある。
後になってみると安全な道が見えるから、
親は我が子に不要な苦労はさせたくないものです。

自分の悩みを子供のおもちゃと一緒にして欲しくないという時、
そんな自分は、子供の自分を忘れかけていたりします。

良い悪いではなく、そんなものです。

どちらかが歩み寄るしかない時、
子供が従って当然だと思っていると、
何の進展もありません。

とにかく聴いてやる。

わかってやって、相手の言い分に納得して、
協力してやる事とは別の事です。

何を考えているのか聴きだす気持ちで良いと思います。

俳優になりたいと言う子供だったら、
どうやって食べて行く気だ、と最初から言わない事。

なりたい自分を語りつくさせた上で、
最後に、協力できるのはここまでだからね、と話す。

何が正しいかではなく、
相手にこちらの言い分が届く為に、
欠かしてはならない段取りです。

子供は自分が生きてきた経験と、知恵の範囲で主張します。

親がみてきた世界の方が広い。
言っている事も正しい事が多いのです。

それでも、それが届く為には、
この段取りを省かない。

力ずくで抑え込んだり、
泣き落としをすると恨まれます。

大人になって、
親が言っていた事が正しかったと
理屈でわかる年齢になっても、
親への恨みを処理しきれない人は沢山います。

そんな事をして、
子供が不幸になったらどうするのだ、と言う方もおられます。

確かに、不幸が予想される事もあります。
女性が家計の為に働くなんて不幸であるという話なら、
価値観の問題とも言えるけれども、
暴力やギャンブル依存などが見えている時もあります。

それでも、そうするしかない。

しっかり言い分を聴く
持っている情報を渡す
決定権と責任を渡す

あとは本人の責任です。

止めてくれなかったから不幸になった、とは言わせない。
これは、力で抑える事ではなく、
親の腹の括り用の問題だと思います。

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