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人が怖い が 人と良い関係を築きたい

人が怖い が 人と良い関係を築きたい

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

人が怖いと言われる方は、結構いらしゃいます。
そんな方に、まずお話しするのは、程度問題ではあるけれど、人は人が怖くてあたり前だという事です。

これは、私もこのごろ勉強会の中で聞いて、改めて納得した事なのですが、歴史を振り返っても、人を一番殺してきたのは人間です。食べ物を奪いあっていた原始人の時代から、近年の戦争に至るまで、人の歴史は殺し合いの歴史と言っても良いかもしれません。

一方で、仲間を作って、助けあう事も知っているのですが、この、一番の敵は人間なのだという事は、人の遺伝子の中に刷り込まれていて、人に対して、警戒心を抱かせるように働くようです。

まず、自分が特別な反応をしているわけではない、と納得していただくと、お話しが進めやすくなります。

相手も自分を怖がっている

自分が人を怖いと思う時、相手も自分を怖がっているという事を思いだしていただけると、良いと思います。

相手の方が、年も上だし、立場も上、自分が怖がるのは当然だが、相手が怖がっているなんて考えられないと思う方も多いものです。

しかし、上司も部下を怖がっているのです。

社会に出たばかりの方にはピンと来ない事かもしれませんが、後輩の指導と任されるようになると、ちょっとした、納得できない様子にも反応します。注意した事に言い訳などされようものなら、怒り心頭です。
これは、本人も相手が悪いからだと思っていますが、根底には、自分が言った事を無視されている、という恐れがあるのです。

管理者なら、なおの事、自分の名前で仕事が外に出ていくのですから、言っただけの事を素直にやってもらえないと、自分の立場が脅かされたような気持になります。

立場が上とか、下とかにこだわらず、この相手は自分を怖がっている、という視点を持つと、相手への対応が違ってきます。

相手を安心させる対応をする

相手が怖がっているのでしたら、相手への最初の対応で何を意図すれば良いかは、おわかりになると思います。

相手を安心させる事です。

カウンセリングや傾聴の講座に行くと、まず、相手のリズムに合わせて、うなずき、相づちで話を聞くといった事を教わりますが、これは、相手に、私はあなたの味方です、という事を示す行為になります。

日常生活でも、ちょっと心がけていただけると、周囲との関係は目に見えて良くなってきます。
特に、話下手でコミュニケーションが苦手という方の方が、早く上達するように思います。何か言わなければならない、という所に、執着しないからではないでしょうか。

相手も自分も完璧ではない なくて良い

人が怖いと言われる方、人が信じられないと言われる方の多くは、人や人付き合いに大きな期待を持っておられるように思います。

人に対する要求も高いですが、自分にも厳しく、人に批判的な気持ちを持ってしまうといった事だけで、自分を責めてしまうといった方も多いのです。

残念な事に、人への不満や怒りなどは、封印するほどに陰湿な物になって、自分から漏れ出てしまいます。
あっけらかんと、あんたなんて嫌い、と言える。相手に言わなくても良いので、私、この人のこんな所は嫌いだわ、と認識しておくのは、大切な事です。嫌いをわかっていた方が、辛辣な言葉で相手を傷つけるような事をしなくてすむのです。

人を傷つけるといった事でも、故意にやるのが良いとは思いませんが、人が大切にしている感覚が異なる事を考えると、完全に避ける事は難しいと思います。

お話しを聴く事を仕事にしていると、誰も認める事ができないような、人への一方的な批判なども一旦は受け止めないと先に進めない事はいくらもあります。
それは、仕事だからできる事で、日常でやらなければならない事ではありません。できるからと言って、人間的に温厚で立派というわけではありません。営業マンのスキルの心理療法バージョンがあると、思っていただくのが良いと思います。

交流分析などを学ぶと、私もあなたもOK,という感覚が大切だと教わります。

交流分析を深く学んだ事がないので、私なりの解釈になりますが、これは、私もあなたも完璧ではないけれど、それで良いんだよ、といったニュアンスではないかと思っています。

自分の足りない所を数える癖のある人は、知らずに人に同じ事をしてしまいます。

こんな自分だけど、まあ、いいじゃないか、みたいな立ち位置がお勧めです。
そうすると、完璧ではない相手も、まあいいじゃないか、と受け止める事ができるようになってきます。

温かみのある人付き合いは、ちょっと許しあうような所から、始まるように思います。

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