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罪悪感 自責は100害一利

罪悪感 自責は100害一利

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

自責とは、大昔、まだ人がまだ、毛皮を着て狩りをして食いつないでいた原始人の時代に、群を維持する為に人の遺伝子に組み込まれたものだと学んだ事があります。

群れのの中で、それぞれが適格に役割を果たして行かないと、群れが維持できず、滅亡してしまうからです。

現在でも、罪悪感、自責の念は、個人を縛り苦しめる一方で、家族や組織の中で人をコントロールする為に、たくみに使われています。

誰もが、好きなように振る舞うだけでは組織は維持できません。役割を果たせなかった時に、周囲から責められる中で、自分を振り返って自分でも自分を責める事を学んでいきます。
それはそれで必要な事かもしれません。誰もが好き勝手に振る舞っていたら、組織は維持できないからです。
だからあえて、100害あって一利なし、とは書きませんでした。

それでも、人を苦しめる感情の中でも、あまり意味がないと思われるものの代表が罪悪感だとも思います。だからこそ、罪悪感とはどんなものなのか、学んでおきたいと思うのです。

罪悪感の功罪

罪悪感を感じる 演じる効果は少ない

職場などでミスやトラブルがあると、人は落ち込んでいる事を見せなければならないような気持ちに追い込まれる事があります。

実際は、周囲は落ち込んでいる暇があったら、始末に回れ、と言いたい事もあるのですが、時として逆をやってしまう事があります。
ぐずぐずとうなだれて、うずくまっているような感じです。

これは、気を引き立てて頑張ろうとして失敗した事や、その行動をミスを軽くみているように評価された事が絡んでいる事が多いようです。

罪悪感を感じて、落ち込んでいても、それが反省しているととってもらえる事の方が少ない事は知っておいてください。悪くすると、そんな顔する事で責任逃れする気なのか、と反感をかう事があるくらいです。

大きな失敗をした時など、本当に動けないような状態になったりしますが、できるだけ、あっさりとした振る舞いができた方が良いです。

そんな振る舞い方の奥には、どこかで、落ち込んでいた方がまだ好感を持たれるといった思い込みがあります。
落ち込んだ顔を見せると嫌われる、と思っていると、そんな行動をとらずにすみます。

罪悪感と反省は別のものです。
このことは、また別に書いてみたいと思いますが、反省は次につながる事、と今は覚えておいてください。

罪悪感の本当の怖さ

罪悪感が、ある一つの出来事に留まっている時はまだ良いのです。

罪悪感、自責の怖さは、特定の出来事を内省して振り返る事ではなく、自分がダメ、自分が罪深くて、この世に存在してはいけないような気持ちになる事です。

他にストレスがかかるような状況があるような時は、特にそんな感じになりがちです。

まず体を休めてから、反省するなら、特定の事象に絞ってする事です。

罪をおかしても、反省する事のできない人も実際にいます。自分を責めてしまう人は、自分を振り返った時点で、すでに許されて良いのです。
それ以上、自分を責めて、次の事柄に対処して力を削がないようにしていく事が大切です。

過剰な罪悪感 自責の念への対処法

罪悪感は言葉にすると軽くなる

罪悪感で暗い顔をするのは禁忌ですが、自分を責めるような気持ちを人に聞いてもらう事は、効果があります。

できれば、その事象と関係がない人の方が良いです。

別にカウンセラーでなくても良いのですが、下手にあなたが責任を感じる必要はないんだ、などと言わないで、自分を責めてしまう気持ちをそのまま受け止めてくれる人でなければなりません。

カトリックなどで懺悔をする事で、罪が許される事になぞらえて、懺悔効果などと言われています。

知人から、過剰な自責の念を聞いた時も、否定するより、そう感じちゃうんだ辛いね、といった対応が良いようです。

昔の罪悪感がフラッシュバックする時

結婚前に、中途半端な気持ちで付き合った人との間にできた子供を中絶した。
交通事故で、人に後遺症がでるような傷を負わせた。

自分が加害者だという思いは、時として被害者である事より辛いものです。

トラウマというと、虐待や災害をイメージする方も多いと思いますが、加害者である辛さも、充分トラウマだといえます。

トラウマには、エネルギーワークが効果がありますが、個人セッションでないと難しい所があります。(個人セッションは随時、受け付けております)

とりあえずできる事は、今、自分が苦しむ事で、相手の助けになれる事はない、という事を思いだす事です。
そして、具体的にできる事をする。
亡くなった人への思いであれば、
お墓参りなどでも、随分いやされるものです。

罪悪感を煽る人に振り回されない

意識するしないに関わらず、罪悪感を煽ってくる人がいます。

ああしておけば良かったんじゃないか、といった事を言いたがる人です。

業務上過失傷害は、通常の過失傷害より、重く罰せられるのは対価をもらっているから当然だと言う人もいます。
それでも例えば医療であれば、間違った薬を投与して死にいたらしめた場合はともかく、一人で歩きたい高齢者の歩き出すタイミングに見ていなくて転棟して骨折したといった場合でも罪になります。
職場の中でも、それを責め合うような風潮もあります。

一般論として、話をするのは大切な事だと思いますが、事故がおこった後に、それを責めるのは後出しジャンケンだと覚えておいてください。

それがわかっているだけで、随分楽になれると思います。

ちょっと話は飛躍しますが、人は罪深いもので、誰かを傷つけて生きています。
菜食主義の人だって、植物は食べているわけです。
人に申しわけない事をやってしまったからといって、改めて、罪悪感で自傷行為をする事はないと思います。

      

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