頑張らなくても良いと言われる が それも辛い
- 2020.05.22
- コミュニケーション 自分との対話 自分育て
- 頑張らなくて良い, 頑張る
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
日常生活、仕事上、時はカウンセリングでも、
頑張らなくても良い、
と言われる事は若干増えてきたように思います。
頑張る事がすべてのような言い方、
頑張らない事を責める風潮、
頑張れない自分を責める気持ち、
そんな所が緩和されるのは良い方向だと思います。
頑張る事が成果につながる、
自分の人生の満足に繋がるとは限らないからです。
それでも、頑張っている方から、
頑張らなくても良いと言われるのも辛い、
という言葉をきく事もあります。
頑張る、頑張らないを今日は考えてみたいと思います。
頑張る事に無条件に賛同したい時
カウンセラーの視点から、
頑張る事に無条件に賛同したい時は
どんな時でしょう。
私は、
プロセスも楽しめる時、
とお答えしたいと思います。
結果や成果を得るには、
何がしか、自分に負荷はかけるでしょう。
ちょっと辛い一面があっても、
どこかで楽しめている。
夏の甲子園大会が中止になって、
高校野球の選手はかわいそう。
それでも、野球をやっていた事を後悔したり、
練習に費やした時間を無駄だとは思わないと思います。
そう思うとしたら、
やらされ感が強かった。
たとえプロになれそうな選手であっても、
プロセスは辛いものだったのだと思います。
進学や昇格にまつわる受験勉強も
プロセスも楽しんでいただくのが理想です。
なかなか、そうもいかないと言われる方も多いのですが、
そんな基準で選んでいけば、
結果がどうあっても後悔は少ないのではないでしょうか。
頑張らなくて良いが辛い時
頑張らなくて良い、と周囲が言う時、
状況に安堵したり喜んだりできる事もあります。
周囲が頑張らなくて良いと言うのは、
何か無理が見えている時。
岡目八目と言うように、
他者の方が状況はよく見えている事は多いものです。
自分の事は自分が一番わかっている、
というのは、
あやまりの事も多いのです。
言われるまでは気が付かなかったけれど、
結構無理をしていたな、
と思える方には、
頑張らなくて良いは救いになります。
それでは、頑張らなくて良いが辛いのは?
自分の可能性を否定されるように感じる時
ではないでしょうか?
本当に余裕があるなら、
ああ、お気遣いありがとう、で済むのでしょうが、
腹立たしかったり、
哀しい、辛いと感じるなら、
どこかで無理している自分も感じているのです。
頑張りたいなら頑張ってみる もあり
私はそんなに無造作に頑張らなくて良い、
とは言いません。
これは、心理職以前に長い看護師としての経験の中で、
命の終わりが見えている人やその家族が、
それでも、ないに等しいような可能性を探すのをみてきたから
だと思います。
残された時間を家族で良い思い出を語りあって欲しいと思っても、
息が苦しくなってもリハビリをやりたがる方もおられます。
命は最たるものですが、
人が自分の可能性を手ばなすのはそれだけ辛い事なのです。
手放す事が辛いなら、
成果の有無にかかわらず、やりきるのもありだと思います。
何を優先したいのかは自覚しておく
こんな時に、
カウンセリングの目的に置きたいのは、
何を選択するかを明らかにするというより、
自分が何を優先したがっているのかをクリアにしていく
といった事です。
結果が欲しいなら、
ある意味、無駄な努力はしない方が良いかもしれません。
周囲に従うというと違和感があるかもしれませんが、
周囲が結果を得るのが難しい。
そこで頑張る事はないのではないか、
と言うのであれば、
耳を傾けるのもありだと思います。
やり続けていく事そのものが大切と思えるのでしたら、
成果がでないのではないか?という
アドバイスは、無視しても良いでしょう。
人が大切にしたい事は、
本当にひとそれぞれです。
本当に自分が大切にしたいものに
向かって頑張る事に、無駄な頑張りはないし、
だれも、頑張らなくて良いと言う事はできません。
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